この記事では、【メモの魔力】の書籍紹介をします。
仕事をしているとメモをとる機会が非常に多いです。
「メモを取る」というと、そのときの事実のみを記録する備忘録的な使い方が多いかと思います。
私も昔から、メモは忘れないためのツールとしか考えていませんでした。
しかし、最近ある本に出会い、メモを備忘録としてだけではなく、アイデア創出のツールとして有用であることに気付かされたので、その書籍を紹介します。
この記事の目次
メモはただの備忘録ではない
とある休日、たまたまAmazonで【メモの魔力】という書籍に出会い、メモに対する価値観が変わりました。
備忘録としての使い方も当然ある
勘違いをいただかないためにまず言及しておきたいことは、メモは当然、備忘録的な使い方もできる、という点です。
人間、全ての物事を記憶しておくのは不可能ですので、必要に応じてメモをとることは重要です。
ただ、せっかく自分が重要と感じた事項・事実を記録したからには、もう一歩先の使い方ができそう、という考え方もあるということです。
備忘録をもとに独自アイデアを生み出すことができる
例えば、1つの会議を終えた時点で、メモが完成したとします。
そこに書かれている内容はどのようなものでしょうか?
おそらく、その会議の発表内容、質疑応答の内容、日時、場所など「事実ベース」の記載がほとんどではないでしょうか。
私も以前まではそうでした。
メモは事実のみを記載し、「どんな会議内容だったかな」と思ったときに見返すための備忘録でしかありませんでした。
しかし、たった1つの会議でも、「これって実はこうなんじゃないの?」「ここはこうした方が良い」などの「アイデアベース」の思考も少なからず働いているはずです。
仕事の生産性を上げるのは、このようなアイデアベースの思考なのです。
そのうえでは、会議での事実をリアルタイムに記載する「メモ取り」の行為こそが、その事実からタイムリーにアイデアを生みだす絶好の機会であり、その瞬間に記録できる素晴らしいツールなのではと感じました。
【メモの魔力】ではこれを「知的生産のためのメモ」と表現しています。
新しいアイデアは抽象化することでさらなる威力を発揮する
新しいアイデアが生まれれば、その元になった事実や課題に対して有効な提案を行うことができます。
それだけでも「知的生産のためのメモ」は非常に有用だと思います。
このアイデア創出のためのメモのさらなる効力として、そのアイデアを「抽象化」することで、他の課題に対しても転用できる可能性があります。
「事実⇒アイデア創出⇒抽象化⇒転用」といったサイクルを1つの場で完結できてしまうことがメモというツールの最大の強みだということを痛感しました。
私は研究者として、課題に対して様々なアイデアを考え、検証する機会が多いため、このような思考回路とそれを可視化できるツールは極めて有用です。
最近は、下図のように事実、アイデア、抽象化アイデアを色分けしてメモを取るようにしています。
研究職に限らず、全ての職業において課題解決に直面する機会はあるので、解決策のアイデア出しとして、メモを活用するのは有用です。
アイデア創出というと、ブレインストーミングなど口頭ベースで意見を出しまくるイメージを私は持っていましたが、メモであれば事実ベースを元に可視的にアイデアを出すことができる、という点が個人的には魅力的でした。
可視化することで頭の整理もつきやすく、より論理的かつ演繹的なアイデアを生み出すことに役立ちそうです。